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ブログ | 2010/11/22 19:25
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幽閉、若しくは彷徨 七十九

ブログ | 2010/10/25 11:01
――渦巻くところのみ《生》在りし、か? 

――それは今のところ何とも言ひ難い。だが、此の宇宙は《存在》の濃淡があるのは確からしい。例へば銀河は此の宇宙に蜂窩状、若しくは網の目状に分布してゐるのは確実だ。

――それは二つの何かの流れがぶつかる処に銀河が生まれてゐるといふ事だらう? 

――へっ、つまり、過去と未来の時間の流れがぶつかって現在といふ事象が銀河となって現はれるといふ事かもしれぬ、と言ひたいのだらう? 

――ふっ、さうさ。流れがなければ渦は発生しない筈だ。

――その渦が時間の流れだといふ証拠は今のところないぜ。

――当然だらう。時間は《存在》に先立つだらう? 

――時間が《存在》に先立つ? それは実存は本質に先立つといふ事の言ひ換へかね? 

――さう捉へて構はない。

――つまり、時間は実存に先立ち、実存は本質に先立つといふ事だね? 

――さうさ。先づ、時間の流れが《存在》しなければ此の世は生まれるべくもなかったのさ。

――そして、《存在》は絶えず時間に曝されて、やがては滅する宿命にある。

――つまり、現在は過去からも未来からも決して遁走出来ぬといふからくりが此の世の本質に違ひなく、現在は絶えず未来へ遁れ行きつつ、過去を振り返る。

――しかし、《個時空》といふ考へ方を持ち出せば、未来と過去は交換可能な《もの》といふ事だ。

――へっ、それが何を意味すると思ふ? 

――つまり、《存在》には必ず寿命が《存在》するといふ事だね? 

――さう。去来現の総体は《存在》が《存在》する以前に、それが発生した時には寿命は決まってゐるといふ事だが、現在に《存在》する森羅万象は未来が見通せずに己の寿命は解からず仕舞ひだ。

――しかし、ちぇっ、さうするとかうかな? つまり、或る一《存在》が去来現の総体を全うし、その寿命が尽きて滅するが、しかし、《他》が《存在》する故に時間の流れは《時代》へと、更には《紀》へと連綿と続く。

――つまり、時間は《存在》によってのみ体現される何かさ。

――すると、時間は時間のみでは《存在》出来ない、と断言してもいいかな? 

――多分、それで間違ひない筈だ。だが、時間は実存に先立つ。

――その時間を体現するのが《存在》といふ時間のカルマン渦といふ訳か――。ふむ。

――だから、銀河もまた、《存在》のカルマン渦の一種に違ひない筈だ。

――そして、銀河と銀河の衝突時にStar burstによって爆発的に星星が出現す事を考へると、遠い将来衝突するかもしれぬ此の天の川銀河とアンドロメダ銀河の中に《未出現》の星星が現在数多《存在》する。

――それは矛盾した言ひ方だぜ。。《未出現》が《存在》するとは、一体全体何の事だね? 

――つまり、未来が《存在》するといふ事だ。

――なあ、銀河は渦を巻くとしてだ、さうすると、銀河団もまた、渦を巻いてゐる可能性はなくはない筈だといふ事かね? 

――多分ね。

――すると、大銀河団は渦の複合体かね? 

――へっ、此の世の《存在》全てが渦の、ブレイク風に言へばMill(粉挽き機;私は敢へて歯車と訳す)複合体、つまり、ドゥルーズ・ガタリなどが言ふ機械といふ《存在》の様相を表象してゐるのかもしれぬのだ。

――さうすると、此の世は渦のFractal(フラクタル)な時空間といふ事だね? 

――さうさ。渦が何処まで行っても渦に自己相似し渦ばかりのFractalな時空間さ。

(七十九の篇終はり)

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夢魔 六

ブログ | 2010/10/18 10:42
――何故って、簡単な事だ。ふほっほっほっほっ。科学は神の摂理以上の公理や法則を見出せっこないと既に相場が決まってゐるぢゃないかね。

――神の摂理を超える科学的な論理か……。ふむ。

――所詮、人間の「智」は神には遠く及ばぬといふ事ぢゃよ。ふほっほっほっほっ。

――しかし、それでも、へっ、人間は神に敵はぬと知りつつも、此の世のからくりを解き明かしたい欲望を持った《存在》として此の世に生まれ出てしまった。

――ほう、それは初耳ぢゃ。人間が「智」でもって神に対峙するか、馬鹿らしい、ふほっほっほっほっ。

――何故に馬鹿らしいと即断できるのかね? 

――人間の「智」は高が知れてゐるからぢゃ。

――ちぃっ、ほら、此れでも喰らへ! 

 と、私は再びそれが何もない空を切るだけで「だん」と畳を殴る事にしかならない事を十分に承知しつつも、何としても神神しい光を放ってゐるその翁目掛けて殴り付けずにはゐられなかったのであった。

――ふほっほっほっほっ。何をまた無意味な事を繰り返すのかね。人間と言ふ《存在》はどうも断念する事が下手糞な生き物ぢゃな。所詮、お主には虚空は殴れぬよ。

――へっ、何ね、無意味な事を十分承知しながらも、人間っていふ《存在》は、此の世に《存在》しちまった以上、どうしても無意味な事をやらなければ気が済まぬのさ。

――ふほっほっほっほっ。それで何か解かったかね? 

――いや、何も。唯、俺は確かに此の世に《存在》してゐる事を否が応でも自覚させられ、そして、その様に己を認識せねばならぬ《存在》として、俺は確かに《存在》してゐると自覚する外ない《存在》として《存在》してゐるに違ひなく、ちぇっ、Tautology(トートロジー)か、まあ良い、そして、お前は、私の幻でしかないといふ事もまた確かだといふ事が解かったぜ。

――ふほっほっほっほっ。お主は確かに此の世に《存在》してゐると己を自覚若しくは認識し、そしてどの口が言ふのか、わしはお主の幻でしかないぢゃと。ふほっほっほっほっ。それではお主は全く納得出来ぬのぢゃらう? 

――ちぇっ、何でもお見通しか。その通り、私は全てが納得出来ぬのだ。私が《存在》してゐると私が認識してゐるといふ事は、もしかすると全て私の思ひ過ごしか? 

――さて、それはお主が決める事ぢゃ。

――へっ、私は確かに言った筈だよな。私が此の世に《存在》してゐると認識してゐるのも、もしかすると私の気のせいかもしれぬと? 

――だから? 

――私は実際、ちぇっ、詰まる所、此の世に《存在》してゐるのかね? 

――確かに《存在》してゐる筈ぢゃ。

――筈ぢゃ? 

――さう、筈ぢゃとしかわしには言へぬのぢゃ。

――すると、やはり、私の《存在》は私の気のせいの可能性がないとは言ひ切れぬのだな? 

――だとして、さうだとして、それが何だといふのかね? 

――いや、何、単なる愚痴だ。

――cogito,ergo sumぢゃて。

――詰まる所、人間、否、《存在》が神に対して詰め寄れた結果が今も尚、デカルトのcogito,ergo sumか。はっはっはっ。ちやんちゃらおかしい、ちぇっ。

――まあ、短気は損気ぢゃぞ。

――しかし、《存在》は未だに「思ふ」といふ事でしか己の《存在》を肯んじないんだぜ。これ程の笑ひ話があるかね? 

――それぢゃ、お主に訊くが、お主が《存在》すると認識する、つまり、「現存在」としてのお主の意識は、さて、確かに《存在》する《もの》として扱っていいのかな? 

――え? 一体何が言ひたいのかな? 

――つまり、お主の意識は、果たして、此の世の《もの》と規定するその根拠をお主は認識してゐるのかね? 

――へっ、つまり、それは、私の意識がその意識の《存在》の根拠を吐露出来るかといふ事だらう? 

――さうぢゃ。

――ちぇっ、それがはっきりと断言出来れば誰も悩まないだらうが! 

(六の篇終はり)

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幽閉、若しくは彷徨 七十八

ブログ | 2010/10/11 17:04
――まあ、その自滅に関しては後で話すとして、先の最強の生き物が此の世の全生物を喰らって鏖殺するといふはのは、笑ひ話にこそなれ、真剣に取り上げる程の《もの》ぢゃないな。

――何故に? 

――何故も何もなからう。その最強の生物は毒でも発してもこの世に数多ゐる微生物すらをも鏖殺するとでもいふのかね? 

――ふっ、人工的に生み出された最強の生き物が仮に微生物だとしたならばどうかね? 

――例へば此の人類はInfluenza Virus(インフルエンザ・ウイルス)のちょっとした変異にすらびくびくしてゐるだらう? 

――ふむ。

――しかし、Virusは人体といふ宿主の中で爆発的に増殖しても、その宿主たる人間が死ねば、Virusもまた死ぬといふ、つまり、Virusは自滅する事を現代で最もよく具現化した《存在》の一Model(モデル)と思へるがね。

――すると、此の世の王は微生物といふ事かね? 

――さうでないとすると外に何が考へられるのかね? 

――昆虫! 

――昆虫もVirusには勝ち目はないぜ。

――へっ、それ以前にVirusは微生物ではないではないか! 

――しかし、virusもこの世に《存在》する《もの》の一つだらう。

――下らぬ。これまた、下らぬ議論に終始する外ないぜ。

――別に下らなくても構はぬではないかね? 

――しかし、極論を言っちまへば、無機物に有機物は敵はないのは火を見るより明らかだらう。

――それぢゃ、一つ訊くが、無機物といふ《存在》は、例へばBlack hole(ブラックホール)の《存在》に対して勝ち目はあるかね? 

――一気に宇宙の話かね? ちゃんちゃら可笑しい! 

――土台、此の世の最強の生物などと言ったところで、その最強の生物について語り出した刹那、どうあっても《存在》の存在論的な問ひへと向かはずして、何が語れるといふのかね? 

――つまり、《存在》と《無》と《無限》の問題なのだらうが、ちぇっ。

――さうさ、ふっふっふっふっ。それを一言でいへば《特異点》の問題に帰す。

――またぞろ《特異点》か……。ちぇっ、そもそも《特異点》とは何なのだ! 

―― へっ、それは今まで散散話して来ただらう。《存在》には少なくとも《特異点》を担ふ事は不可能なのは自明の理の筈だか、それでも《存在》は《特異点》を内包せねば、《無》と《無限》の断崖を落ちる外ないといふ《存在》が「先験的」に付与されし《存在》の危ふさへと《存在》する《もの》は既に追ひ詰められてしまってゐる事が問題なのさ。

――それは危ふさかね? 《存在》が《特異点》を内包する義務など、そもそもありはしないし、それ以前に《存在》が《特異点》を担ふ必要なぞこれっぼっちもないのぢゃないかね? 

――ふっふっふっ。その通りさ。しかし、お前はお前の《存在》を「《吾》然り!」と全的に肯定できるかい? 

――へっ、それは先にも言ったが、否だ。

――さう、《存在》が己の《存在》を全的に肯定出来ないであれば、《存在》を問ふのに《特異点》の問題は避けられぬ宿命なのさ。

――宿命? 

――さう。《存在》の宿命なのさ、《特異点》の問題は。

――それに《無》と《無限》の問題も必然的にくっ付いてくる、違ふかね? 

――さうさ。そんな事は先に話してきた筈だがね。ふっ、やはり、堂堂巡りが最も思惟に似合ふ思考法なのか、ちぇっ、へん、所詮また、堂堂巡りぢゃないか! 

――それで構はぬではないか。土台、《存在》はそれ自体が渦を巻く《もの》だぜ。ふっふっふっ。

(七十八の篇終はり)

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黙劇「杳体なるもの」 十一

ブログ | 2010/10/4 08:59
――∞の時間の相の下、特異点のみ《存在》若しくは《イデア》若しくは《物自体》に《存在》する事を許されたとして、詰まる所、その特異点のみが平安だと君は言ふが、さて、それはどうしてかね? 


――それまで得体の知れなかった無と無限が確定するからさ。


――無と無限が確定する? お前は何を言ってゐるのだ。


――へっ、時間が∞次元の相へと変はるんだぜ。当然、時間が∞次元だとすると、それまで、無とか無限としか名指し出来なかった《もの》が、その不気味な姿を現はさざるを得なくなるのさ。


――つまり、∞次元の時間が森羅万象のその不気味な姿を炙り出すといふ事か――。その時、その《存在》自体が呪はれてゐた特異点がそれまでの束縛から解放される……違ふかね? 


――へっへっへっ、さういふ事だ。しかし、幾ら特異点が平安だからといって《主体》が特異点に素手で触らうものなら《主体》は大火傷間違ひなしだ。


――何故大火傷すると? 


――何故って《主体》なる《もの》全て《吾》への《収束》を冀(こひねが)って已まない《主体》は、特異点に触った刹那、∞へと《発散》してしまふんだぜ。


――それは光になるといふ事だらう? 


――さうさ。光だ。最早収拾出来ぬ光へと《発散》してしまふ。


――つまり、それは物質と反物質が出合ふと光となって対消滅する如く、《主体》は特異点に触れた刹那、光となって消滅するといふ事だね。


――いや、《主体》は光となって《発散》はするが消滅はしない。


――では何になると? 


――森羅万象全てさ。その時、《杳体》の何たるかの尻尾位は解かる筈さ。


――それは無限へと変化する事と同義語か? 


――ああ、無限と言っても全体と言っても何でも構はぬ。唯、《主体》を除いてゐればだがね。


――《主体》が《主体》を除いた森羅万象に《発散》する? ふむ。特異点では《主体》は《客体》に変化するといふ事かな? 


――否、特異点には《客体》が《存在》する余地は残されてゐない。


――え? 《客体》が《存在》しないだと? 


――ああ、特異点では、《客体》なる《もの》は《存在》しない。《存在》するのは《主体》を除いた、例へば《主体》の《抜け殻》のみが森羅万象と重なり合って《存在》する、何とも狐に化かされたやうな話だ。


――それは仮に名付けてみれば《反=主体》といふ事かね? 


――否、《杳体》さ。


――え? つまり、《杳体》は《主体》の《抜け殻》として《存在》する外ない《主体》といふ事かね? 


――へっへっ、何のことか君には解かるかね? 


――へっへっ、本当のところは何のことかさっぱり解からぬ。


――だから《杳体》なのさ。


――先づ、《主体》除いた《主体》とは何かね? 


――渦巻きで例へると渦の腕の部分の事だ。


――つまり、《主体》を除いた《主体》とは渦の中心の如く渦たる《主体》とは別次元の何かといふ事かね? つまり、仮に《主体》が四次元ならば《主体》を除いた《主体》は五次元の《存在》としてある事か? 


――或るひはさうかもしれぬ。


――或るひはさうかもしれぬって、そんな言ひ種はないだらう。《主体》を除いた《主体》を《杳体》と言ひ出したは、君なのだから。


――実のところ、俺に解からないんだ、《杳体》が何かが――。


(十一 終はり) 



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