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海岸のイメージは砂浜ではなかった

2010/6/7 02:02
ことに気づく.

 自分の中にあるのは,どうも,「磯」のイメージ.砂浜の海岸は,非日常の海な気がする.
 まぁ,海自体,日常からはほど遠いのだけれど.

 海が見たかった.
 ような気がした,のは,おそらく嘘.
 休日に身を投げる口実として,ちょうどよかったという程度か.

 江ノ島や由比ヶ浜の明るさに疲れて,逗子へ向かったのは正解だった.
 日が暮れるのをただただ,一人でぐったり待つのにちょうどよかった.

 見上げれば,飛行機が大きかった.
 このあたりだと,羽田を発って未だ高度が上がりきっていないからだろう.
 飛行機ははじめ,青い海を進むように見えていたが,いずれ暗い海を抜けたがってもがいているように見えた.

 ああ,一人になっちゃったなぁ.
 楽になった部分もでかいけど,苦い.

 誰を待っている訳でもない.誰に待たれている訳でもない.
 そんな状態だというのに,出かけ際にばたばたと選んだ持ち歩く文庫が,
 江國香織の「号泣する準備はできていた」だったことを,読んでいる最中にひどく呪った.

 海と空の境が交わったら帰ろうと思っていたが,日が沈んでもいつまでも交わらなかった.
 向こうでは,高校生たちが賑やかで,小さな花火を上げていた.
 そのうちビールもなくなり,身体に海風が冷たくなってきた.

 外から冷えたのか,内から冷えたのか分からない身体を委ねた江ノ電は,なんとも面白くなかった.
 それはまるで,休日の終わりを突き放して伝えられているような気分だった.
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